NAO IS GOD

 嘗て、この地には神がいた。その昔、鬼神の如き暴風の嵐として民衆を惑わせた神が――。
 芸術を尊び、道化を嗤い、豊穣を愛する。
 産めよ、増やせよ、地に満ちよ。そして、空にも満天の星を。
 神は何よりも賢明であり、懸命であった。
 神は我々が美しきものを愛し、誕生させる瞬間を我々よりも愛していた。
 神は偶像ではない。神は意思を持つものである。神は才能を忌み嫌い、努力による進化を頑なに信じている。
 我々はそのことを知らなかった。我々は識者ではなかった。神が神であることを、当たり前に思っていた。
 神が地に降り立ち、随分たったある日の事である。
「私は更なる芸術を生み出す為、風に乗り、雲に運ばれて旅に出よう。人間達よ、我が子達よ。私はこの地を去ります」
 民衆は悲しみに満ち、信仰者は狂い叫び、哲学者は意味を考えた。
 安寧の日々は林檎が木から落ちる様に、すっかりと記憶のなかのものだけになった。
 夜中、我々の姿を映すように栄えた月は去ったのである。
 日中、我々の働きを守るように照る陽は消えたのである。
 然し、去られるだけが我々ではない。再びの誕生を待つだけでは、神が何のために芸術を与えたのか分からなくなってしまう。
 言葉を贈ろう、次に芸術を生み出そう、そのまた次は美術を尊ぼう。
 何よりも、我々の神の為に。
 だから、何よりも素晴らしき賛美を――。

 NAO is GOD.


【あなたが心ある民ならば、賛美の言葉を】

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  • 最終更新:2017-05-31 21:19:01

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