第七章「地球」

ーブリーフィングルーム


ユウヤ「さて、始めるぞ。今回はこの基地の地下訓練場での訓練となる」

ユイ「地上じゃないんですか?」

ユウヤ「地上でもいいんだが、地下のほうが自由度が高くてな。天候の変化も自由自在なんだ。それに地上は汚染されてるから危険だしな」

ユイ「なるほど」

ユウヤ「今回のマップはここだ」

タケル「市街地……」

ユウヤ「そう。ビルが立ち込めるこのエリアでは至近距離での白兵戦、ビルの頂上からの狙撃等様々な戦術が使用できる。しかもここ、地下訓練場では、ビルなどはすべてホログラムの投影によって生成されているから、破壊することも出来る。但しロケット弾など高火力のものでないと不可能だし、遮蔽物無くなるわでいいこと無いかもしれないけど。肝心のトーナメント表だが、ユイVSタケルで勝ったほうが俺と。いいな」

タケル「なんで隊長がラスボスになってるんだ?」

ユウヤ「お前らの動きを知って少しでも有利にするためです」

タケル「ズルいな」

ユイ「動かそうとしても無駄よ。隊長は絶対動かないわ」

ユウヤ「そういうこと」

タケル「ちぇ」

ユウヤ「優勝者にはご褒美もあるからな、頑張れ…っと、ああそうだ、今回トロは別件で参加しない。それでは10分後に始める」



ー第1戦、ユイVSタケル


ユイ「よろしく」

タケル「容赦はしない(キリッ」

ユウヤ「はじめ」


先に動いたのはタケル。機動性を活かし、ビル群の中を高速で抜け、ユイに接近せんとする

ー対するユイは動かない


ユウヤ「天候は…雨」


ーザァァァ...

雨が降り出す。視界不良
ユイが動く

ーギュオオオン....


ユイ「…ここ」


ーズォォォォン!!!

八九式電磁投射砲。以前、ユウヤが使用していたもの。毎秒800発もの弾丸が、光線となって市街地を更地にする。
あちこちでビルの倒壊が起きる。


タケル「うおっ、何だ何だ…!?」


タケルは混乱している模様。ユイはスナイパーライフルに持ち変える


ユイ「丸見えよ…」


ダンッ!!と銃声が鳴り、弾丸が機体を貫く。撃墜判定。ユイの勝利


タケル「え、は…?」

ユウヤ「終了。ユイの勝ち」

タケル「マジでェ!?」

ユウヤ「しかし派手にやったなー…視界不良での狙撃も中々…それと、タケルは混乱しすぎ。そこんとこ注意」

タケル「うーい」

ユウヤ「さて、次は俺か…」

ユイ「はい」

ユウヤ「休憩はいるか?」

ユイ「いえ。やらせていただきます」

ユウヤ「おいおい、ずいぶんやる気じゃないか…」



ー第二戦、開始


ユウヤ「さて、こいつの性能を試させてもらうか」


ーズォォォォン!!!


ユウヤ「うおっと…いきなり更地にしてくるか」

ユイ「当たった……?いや、まだ」

ユウヤ「行くぞ」

ユイ「レーダー……居ない?」

ユウヤ「そこ」


ーダダンッ!!


ユイ「っ!」



回避。ユイの周囲にはまだビルが残っている。



ユイ「音の方向からして、そっちね…」


ーバッ!


ユイ「居ない…」

ユウヤ「見えているぞ」


ーダダダッ!!


ユイ「くっ…どこから撃ってきているの…?」

ユウヤ「動かんな…」

ユイ「!」

ユウヤ「ん?フルブーストで上空へ退避…賭けに出たか?」

ユイ「…どこにも居ない…ステルス機、厄介ね」

ユウヤ「なら俺も」



ーピコン!


ユイ「サウンドインジケータに反応、同高度、12時方向…!」


ージャコン

電磁投射砲を構える

ーギュオオオン....ズォォォォン!!



ユウヤ「おっと……」


ーヒョイ

急上昇で回避

ーキラン...


ユイ「見えた!そこね!!」


ーガチャッ、コン

電磁投射砲を捨ててスナイパーライフルに持ち替え、射撃開始

ーダン!

ーダン!


ユウヤ「ん、SRを我武者羅に撃つとは…ユイらしくない」


ブースト、ユイに接近


ユイ「ふふ、見えてるわ…」

ユウヤ「この距離なら外さん。墜ちろッ…」


ーダダダッ!!

ユイが急降下する。

ーダンッ!!!


ユウヤ「なっ……!?」


左腕損傷


ユウヤ「当ててきた……?マグレか?」


ビルに隠れたか…夕焼けが輝いてきた。


ユウヤ「グレネード、お見舞いするか」


ーポイッ…ドンッ!

動いた。150mm突撃砲を構え、左から攻める

ーダダダッ!


ユイ「!こっち!」


ユイが振り返る。何もない。


ユイ「自律兵器…じゃないわよね」

ユウヤ「…」


ーシャキン

長刀を抜く。そして、フルブーストで上昇


ユイ「そっちね!……居ない。むぅ」


スラスター停止、自由落下。長刀を構え、そのままユイに向かって落ちる。


ーザンッ!!


ユイ「きゃぁっ!?」

ユイ「くっ…サウンドインジケータ……真横!?」


咄嗟にブーストで後退し、攻撃を回避


ユウヤ「やるな…」

ユイ「まさか…光学迷彩まで搭載しているの…?」

ユウヤ「避けてみろ…」


ーダダダッ!

右脚損傷


ユイ「くっ…」


再びユイが急上昇。真下にハンドガンを乱射する。

ーカンッ!


ユイ「見つけた」


スナイパーライフルに持ち替えたが、遅い。サイドキックを入れつつユウヤが上昇。
微妙に揺らめく影を追いつつ、照準が定まらない


ユイ「そこ!!」


ーダンッ!!!

外れた。


ユウヤ「ハァ…終わりだな」


ーザンッ!!

長刀で至近距離からの斬撃。
ユイ、撃墜判定





ーブリーフィングルーム

ユウヤ「さて、今回の優勝は俺だが…各員、少し捻れば優勝の座を狙えたと思う。自分の弱点を補い、今後に努めてほしい」

ユイ・タケル「了解」

ユウヤ「それで、ご褒美なんだが…一日だけユイを自由に使える券がここに……あれ?無い!券が無いっ!」

タケル「何考えてるんだ、隊長は」

ユイ「隊長。お探しものはこれですか?」


手書きで一日だけユイを自由にできる券、と書かれた紙と、基地の食券。


ユウヤ「なっ!それは…一日だけユイを自由に使える券…と俺の三ツ矢サイダー盛々うどん!」

ユイ「これをー、こうです!」


ービリビリビリ


ユウヤ「」

タケル「ひえー、こえーや」

ユウヤ「気を取り直して……各員、今回の訓練での反省を活かし、今後これ以上の奮闘を期待する…以上、解散!」


二人が出て行くと、ユウヤは少し悲しげな目で券を見ていた。


ユウヤ「自作しよ」


ーピンポンパンポーン...第103特殊戦術機部隊、コンパク・ユウヤ一等空佐、至急作戦司令室へ...繰り返します、第103...



ー作戦司令室


ユウヤ「失礼します。及びでしょうか、軍司令部長殿」

軍司令部長「ああ。楽にしてくれ」

ユウヤ「…」

軍司令部長「今回呼び出した理由だが……以前、貴官と例のテストパイロットが合同演習を行った場所で、不穏な動きが見られた。そこに、貴官らを派遣したい」

ユウヤ「了解しました」

軍司令部長「それと、だ…この券に見覚えはあるか?」


ユイ一日自由(ry


ユウヤ「いいえ、ありません」

軍司令部長「そうか…使用できないのか」

ユウヤ「軍司令部長。僭越ながら、そのような戯れ事にお時間を使う余裕があるのですか」

軍司令部長「おっと、すまないな。今のは忘れてくれ」

ユウヤ「はっ」

軍司令部長「では、詳しいことは追って伝える。下がって良い」



ー食堂


ユウヤ「一体どこで落としたんだ…また自作しなければ」

ユイ「隊長」

ユウヤ「うおっ、なんだ、ユイか」

ユイ「隊長の食券、使ってみたんです」

ユウヤ「は?さっきのか……?ありゃ俺専用の裏メニューなんだが」

ユイ「マスターに言ったら特別に作ってくれましたよ」

ユウヤ「おっ、どうだ?感想は?」

ユイ「不味い」


それだけ言ってユイは出て行った。
なんか、物凄く、悲しい



  • 最終更新:2014-08-03 00:32:17

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