神ノ国

神はいない。

かつて幾人もの哲学者たちは、数々の思考を巡らせては、そのような結論に至った。

神―――それは全知にして全能であり万能な存在。

神―――それは平等にして公平な存在

神―――それは人々から常に崇め奉られる存在。

神―――それは世界を創造した始まりの存在。

神―――それは世界を破滅させる終わりの存在。

神―――それは人間にとって都合のいい存在。


神。

それは誰もが知っている言葉であり、そして誰もが見たことのない存在。
これまでの人の歴史には、常にその存在が付きまとっていた。
ある時は神話として、ある時は数多ある宗教の信仰対象として、そしてある時は人として。
神というものは常に、その姿を変え、今もなお人の心に根付いている。
何かいいことがあれば神の加護、何か悪いことがあれば神の裁き。
困ったときには神頼み。触らぬ神に祟りなし。
そう、人と神は常に、これまでの歴史を共に歩いてきたのである。

しかしながら今現在、その存在を心の底から信じているものは、数少ない。
時が経つにつれ、次第に人は神に対する信仰を失ったのである。
神話は廃れ、宗教は滅び、人が神として崇められることは無くなった

そう、神はいない。
今のこの世において、神という存在はもはや、過去の遺物であり、そして必要のないもの。
昔の人が生み出した、ただの妄想の産物という共通認識なのである。
そして人々の心の中に、神はその姿を消してしまった。

だがしかし。
だけれども。
僕は知っている。
それは間違いだと。
僕は知っている。
神は常に人を見ていると。
僕は知っている。
神は確かに―――存在している事を。
この世界が生まれた時から、いや生まれる前から、神は常にこの世界を見守ってきた。
生物に命を宿し、大地に緑を宿し、そして人に心を宿し。
時には災害を起こし、時には生物の命を奪い、時には人の心を脅かす。
神はいる。神は有る。神は確かに存在する。
神は、人々の近くで、常に見守っているのだった―――――
















――――というか、僕だった。

いや、それは正確ではない
そう、神は確かにいる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
僕を含めて、おおよそ一万人ぐらい
そしてその神々は今現在―――その使命を全うしてはいかなった。
つまりは、サボっていた。
人間達が神を信じなくなってから、神は、堕落してしまったのだ。
つまりは、やる気がなくなった。

ここは神の国ゴッドキングダム。
そこは、世界を管理し、バランスを取り、そして人を見守る場所。
数多の神々が数々の部門について、それぞれの役割を全うする。
謂わば会社のようなものだった。

これは、人から信じられなくなってしまった神々と

そんな世の中を変えようと画策する、これまた神である僕の

会社経営―――いや、世界経営物語である。

  • 最終更新:2016-04-16 19:22:51

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