優也「艦娘?」第六話

天使「優也さんが、唐突に穴を掘ると言ってから1時間が経ちました」


響「彼は何で穴を掘っているんだい」


天使「謎です」


響「謎」


天使「確か、朝・・・」



優也「穴を掘りたい」


天使「ホモですか?」


優也「そうではない。物理的に、地面に穴を掘りたい」


天使「何でですか」


優也「お前は穴を掘るのに理由が必要なのか?」


天使「必要ですよ」


優也「意味などない。穴を掘りたいのだ」


天使「どこに掘るんです?」


優也「庭だ」


天使「ちゃんと自分で埋めて下さいね」


優也「わかった」




天使「ということがあって」


響「現在進行系で穴を掘っている、と」


天使「そうなりますねえ」


響「何でまた唐突に穴を掘るなんて言ったんだろう」


天使「さあ」


響「それよりも、どうして許可したんだい?掘って埋めるだけなんだろう?」


天使「優也さんが久しぶりに外に出て運動するというので・・・それくらいならいいかと」


響「ああ・・・。いつもゲームばかりしていたから、そういう」


天使「まあそうですね。たまには運動してもらわないと」


天使「・・・やっぱり心配になってきました。ちょっと様子を見てきてもらえませんか?」


響「分かった」



響「優也?」


優也「いかにも。我こそが優也である」


響「進捗はどう?」


優也「もうすぐマントル突き抜けると思う」


響「おかしいな。マントルは私が視界に捉えられるほど近かったのか」


優也「ああ。よく見ろ、ここがマントルだ」


響「それはよかったね。ところで、天使さんが心配していたけど、大丈夫かい?」


優也「正直飽きてきた」


響「そうなんだ」


優也「でも1つ問題があるんだ」


響「何?」


優也「出られない」


響「それは大変だね。じゃあ、私は散歩に出かけるから」


優也「待てやオイ」


響「なんだい。私は忙しいんだけど」


優也「俺を置いていくな」


響「置いていかないよ。優也は地面と同一化しているんだ。どこを歩いても、そこには優也がついてくるよ」


優也「そういうのいいから天使呼んできて」


響「わかったよ」



響「天使さん、優也が穴から出られないって」


天使「それは大変ですね」


響「助けてほしいって」


天使「はぁ・・・。全く」



天使「優也さん?」


優也「いかにも。我こそが優也である」


天使「何してるんです?」


優也「井の中の蛙を体現している」


天使「じゃあ助けなくていいですか」


優也「だめです」


天使「全く、世話のやける人ですね」ピョン


シュタッ

優也「危ねえな!今踏むところだっただろ!」


天使「狭いんだからしょうがないじゃないですか。もっと広く掘らないから悪いんです」


優也「確かに」


天使「ほら、飛びますよ。つかまってください」


優也「かたじけない」



響「どうだった?」


優也「地底人はいなかったよ」


天使「あれだけしか掘っていないのなら、地底人には会えませんよ。てか居ませんよ地底人」


優也「そうなのか」


響「地底人に会いたかったの?」


優也「いや、穴を掘りたかっただけだ」


天使「満足しましたか?」


優也「した」


天使「では埋めて下さい」


優也「明日でいい?疲れちゃった」


天使「はぁ。まあ、いいですけども」


響「危ないからブルーシートかけておくね」


優也「仕事速いな」


響「そうかい?」


天使「ありがとうございます。全く、優也さんは・・・」


優也「イケメンなんだから」


天使「そんなこと言いません」


優也「悲しいな」


響「ん?誰か来るよ」


天使「お客さん?」


妖夢「こんにちは」


天使「こんにちは」


響「こんにちは」


優也「ドーモ、ヨウム=サン。ユウヤです」


妖夢「なんですかそれ」


響「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」


天使「ノリ良いですね!?」


優也「して、何用か。」


妖夢「あっ、はい。新技を覚えたので優也さんに試そうかと」


優也「俺はカカシと同列なのか」


妖夢「他の人に試すと、下手したら死にますので」


優也「よかろう。受けて立とう」


響「何で、下手したら死ぬ技って聞いた瞬間に受けて立とうとか言うんだい」


天使「そういう人なんです。危ないから下がりましょう」


優也「準備はいいか」


妖夢「ええ」


妖夢「ってそれ私の台詞じゃ」


優也「そうなの」


妖夢「まあ、いいですけど・・・」


優也「んじゃどうするよ、まずは準備運動がてら軽くいくかい」


妖夢「そうしますか」


優也「あ、いつでも新技出していいからね」


妖夢「はい」


妖夢「ふう。」


息を整え、妖夢、抜刀。


対する優也は腰に太刀、時雨を携える。リーチは楼観剣とほぼ同じだ。


妖夢「・・・行きますッ!!」


嚆矢。楼観剣を下へと向け、切り上げの体勢で突撃。しかし優也は抜かない。


妖夢「はあっ!」

予想された切り上げ。

優也「甘いな」

優也がたった一歩下がることによって、その刀は肌に触れる運命を逃された。

しかし妖夢とてそれは想定済み、第二撃を振り翳さんとす。


ここで勝機とばかりに優也が抜刀、居合により振り翳された楼観剣を弾き返す。

妖夢「ぐっ!?」

基本的に、カウンター攻撃は相手をノックバックさせる。この場合も例外ではない。

そうしてできた一瞬の隙を突かんと、優也の一撃が迫る。

カキンッ!


その手を防いだのは白楼剣。防御用の小刀である。弾幕を防ぐ際にも使用するが、緊急時のバックアップとしても役立つ。

白楼剣の抜刀によって二刀流形態に移行した妖夢。防御も攻撃も2倍だ。


互いに剣を交え、硬直。


動いたのは妖夢。白楼剣が優也に迫る。


しかし、片手で優也の剣を抑えきれずに体勢を崩してしまう。


本来ならここで追撃するのが優也だが、今回は違う。妖夢の言っていた「新技」とやらが気になる。それ故に、バックステップで距離を置いたのだ。距離さえ取ればこちらには銃撃が有るし、分があるはず。


いや、まだ銃は出すべきではない。ここは


優也「避けられるか。覇道滅封」


クルクルッ、ザスッ。


剣を地面に突き立てると、前方一直線に炎が吹き上がり妖夢を襲う。


もちろん、サイドステップをすれば簡単に避けられる。


しかし妖夢は抗うことを選んだ。


妖夢「爆ぜよ、裂壊桜」

こちらも剣を突き立てる。桜散るかの如く桃色の波動が、優也の炎の波動に抗う。


結果としてそれらは対消滅を起こした。

優也「ほう。」


妖夢「一度見た技に、やられたりはしませんよ」


優也「そうか」


優也「ならばこれはどうだ。出でよ、M2重機関銃」


お気に入りのM2重機関銃でのバレットパラダイスを目論む優也が右手を上げた瞬間。いつもなら防御態勢を取る妖夢が、珍しく攻撃に回った。優也が右手を上げて召喚を始めたその瞬間を狙って強く踏み込み、優也の領域へを侵入したのだ。


これには優也も驚愕。直ぐ様召喚を中止し、左手に握った太刀で防御に回る。

さきほど妖夢が片手での鍔迫り合いに負けたように、今回も同じような結末となる。


ただでさえ重い太刀を左手一本で支えるのは難しい。

そのウィークポイントを活用するため、妖夢は更なる一手を加えた。

妖夢「餓狼ッ!」


両手に握った刀を一度に振り下ろし、防御を崩すパワー技。その効果は絶大で、優也の防御を完璧に打ち破った。


しかしこの男、簡単には負けない。防御に失敗したと分かると、直ぐ様逃げの一手を投じた。空いた右手にスモークグレネードを召喚し、そのまま自分ごと煙に包んだのだ。

妖夢「なっ・・・!卑怯な!」


妖夢の優位性は一瞬にして崩れ去る、かと思われた。


妖夢「こんな煙など・・・はぁっ!」


先程の裂壊桜の要領で剣を突き立て、煙を払ったのだ。

確かに最適解であったかもしれない。が、優也に妖夢の背後を取るのに充分な時間を与えたのも事実。妖夢が周囲の捜索を始めんとしたところに、優也の回し蹴りが当たった。

妖夢「がぁっ・・・!?」


優也「ふう。危ないところだった」



妖夢「はぁっ、はぁっ・・・やりますね・・・攻守の切り替えが本当に上手い人だ」


優也「褒めてくれるのか、うれしいな」


妖夢「ですが、このまま負ける訳にはいきません」


優也「いいねえその目。やる気だ」


妖夢「ええ、覚悟してください。・・・開け!開闢の扉よ、ゲート・オブ・バビ・・・」

コケッ

優也「あ、こけた」


そして、一瞬にして妖夢の身体は地底へと落ちていった。

妖夢「みょおおおおおおおおおおおおおん」
オォン...オォン...オォン...


天使「あ」


響「・。・」


優也「あ・・・」


天使「大丈夫ですか!?」


妖夢「いたた・・・なんですかこの穴は」


優也「さっき俺が無意味に掘った穴だ」


妖夢「自分の家の庭に落とし穴を掘るんですか貴方は」


優也「うん」


天使「助けますよ」


妖夢「ありがとうございます・・・いたた」


天使「大丈夫ですか・・・?」


妖夢「平気です」


優也「穴を掘ることに意味はあったのだな」


天使「女の子が1人落ちてるんですけど」


妖夢「まあ、してやられましたよ」


優也「てか怪我してない?大丈夫?」


天使「それ真っ先に言う言葉だと思うんですけどね」


妖夢「気のせいか、左手が折れているような」


優也「じゃあ続ける?」


天使「なんでそうなるんですか!?」


天使「ちょっと見せて下さい。腕押しますよ」


妖夢「痛っ!」


天使「ふうむ・・・圧痛有り、内出血もありますし・・・ひびが入っているか、下手したら折れてます」


優也「マジ?」


天使「マジです。まずは安静にしましょう」


妖夢「うう・・・」


響「救急箱持ってきたよ」


天使「あー、骨折なので冷水と三角巾かなにか持ってきてくれませんか?」


響「分かった」


天使「ではそれまで、手を心臓より高く上げて」


妖夢「はい」


天使「痛みは?」


妖夢「少し」


天使「ではそのまま安静に」


響「持ってきたよ」


天使「はい、冷やしますよ」


天使「あとは添え木で固定しておきます」


妖夢「すみません、ありがとうございます」


天使「で、優也さんは何してるんです」


優也「何したらいいかわからないから見てる」


天使「骨折してるんですけど」


優也「知ってる」


天使「何かかける言葉は」


優也「今どんな気持ち?」


妖夢「なんかムカつきます」


天使「優也さんの骨を折ろうかな・・・」


優也「ごめんなさい」


天使「それでいいのです」


天使「じゃあ、このまま安静に。そのうち痛みも引くと思います」


妖夢「はい」


天使「優也さんは今すぐあの穴を埋めてきて下さい」


優也「わかった」


響「私も手伝うよ」


天使「全く・・・。気をつけてくださいね」



優也「おわったよ」


天使「はい、ご飯できてますよ。食べる前に手を洗ってくださいね」


優也「わかった」


響「わかった」


天使「今度から穴なんて掘らないでくださいね。危ないですから」


優也「わかった」


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  • 最終更新:2016-12-15 22:20:54

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