プロローグ

 階段をひたすら降り、辿り着いたのは祭壇のある部屋。
祭壇の前にて、魔を統べし王は儀式を行う。


「そこまでだ!魔王!」

「遅かったなぁ…勇者」


 出会うは、邪悪な者と聖なる者。自らの身体を贄として、悪者は儀式を続ける。
大量の血肉と悪しき魔力にて行われる、邪なる神の召喚の儀式。


「再び問おう…勇者」

「……ボクがお前の言葉を聞く必要はもう無いッ!」

「…酷いじゃァ無いかその言葉は、私はまだ何も言っていないぞ?」

「もうお前の言葉は聞かないと言っている!」


 対峙するは、悪しき魔術師と勇ましき騎士。悪しき者を贄として、騎士は全てを手に入れる。
大量の犠牲と聖なる契約の果てにて始まる、勇者の最後の戦い。


「……まぁいい、そろそろ始めようか。最後の闘いを」

「……あぁ」


 勇者が剣を構え、魔王が魔力を高め始める、
 最初に攻撃を仕掛けたのは勇者、魔王の後ろに回り込み剣を盾に振り下ろす。魔王は難なくそれを躱し、
手から禍々しき炎を放射する。


「……ッ!ハぁああああ!」


 勇者は炎を躱さず、勇者の強大なら力と剣に秘められし神々しき力にて、炎を振り払う。


「ふぅん…じゃあ勇者。貴様、寒いのは好きか?」


 魔王が強大な魔法陣を創り出し、魔法陣から凍て付くように冷たい風が吹き出す。


「……ッ」

「さぁ、どうするんだ?」


 勇者が剣に魔力を籠める。魔力が十分に高まると、剣の周りに炎が出現する。剣が魔力で出来た炎を纏い、吹雪を蒸発させる。


「……おう、こうするんだ」

「じゃあ、これはどうする?」


 魔王が詠唱をすると、地面に魔法陣が現れ、大量の様々な魔物が出現する。


「これはっ…少し厄介だな。だが、他愛無い」


 勇者が力を籠めて剣を握り、剣を思い切り振りおろし、魔物共を一瞬で真っ二つにする。


「ふぅむ、矢張り有象無象では駄目か」

「雑魚程度にやられる鍛え方はしていないさ……」


 勇者が少し笑いながら、魔王に向かって進みだす



「そういえば貴様の名を聞いていなかったな、勇者よ。私が許す、名乗れ」


 魔王の言い方が気に食わなかったのか、勇者が笑顔を歪ませた顔で答える。


「良いだろう。冥土の土産に名乗ってやる!ボクの名前は、エル・ニーズヘッグ!ユグドラシル大陸のニブルヘイム帝国に所属する勇者、エル・ニーズヘッグだ!」

「エル・ニーズホッグ……成程、素晴らしい名前だ。私の名はフレースヴェルグ!これから貴様を殺す魔を統べし王だ!」


 互いに、剣と手を構えた、その瞬間。
魔王の中央の祭壇が禍々しき光を放つ。


「ッ!?」

「ほぉう…儀式が完了した様だ!」


 魔王が祭壇の前に立ったその時、魔王が口から大量の血反吐を噴射した。


「なっ…一体何がっ!」


 大量の血が祭壇に吸い込まれ、魔王の死体が消滅する。
そして、勇者は何が起きたのか理解できないまま、光に包まれ、気を失った。

















―プロローグ,END
 



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  • 最終更新:2014-08-17 18:44:09

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