クリストファー「なにもできない程度の能力」 第壹話

 確率の話をしよう。例えば、これは有名な話だが人と人が出会う確率は0.00000000000000006%と言われている。ならば、人が記憶を失ってしまう確率というのは、何%となのだろうか。それはきっと途方も無い数字になってしまうのだろう。ならば、人が漂流し、変な竹林に辿り着くのは何%なのだろうか。僕の今の状況…過去の殆どの記憶が無くなり、変な竹林に居る。何%の確率でこんな事になってしまうのだろう。恐らく、天文学的な確率だ。気が遠くなる。
 幸い、勉学や基本的な生活の知識に関係する記憶は失われていない。だが、荷物が殆どない。服は今着ている学生服。ブレザーとシャツ、それとズボン。服以外の荷物は無いようだ…さて、どうしたものか
 例えば、勇者として異世界に召喚されたのなら、王様から優遇してもらえるし。例えば、トラックに轢かれ、異世界転生したのならば、子供の時から人脈を広げれば、何とか生きていけたのだろう。だが、現実はそんなもんじゃない。僕は、勇者として召喚されたわけじゃないし、チートテンプレ異世界転生した訳でもない。記憶を失い、変な竹林に居る。全く、事実は小説と同じぐらい奇天烈だ。さて、本当にどうしたものか、こうやって意味の無い事を考えているだけでも時間は過ぎてしまう。出来る事は限り無くすくないだろうが、やる事をやらなければいけない。しかし、状況はとても絶望的だ。解るのはここが変な竹林という事だけ…そして、恐らくこの竹林はとても広大だ。僕は眼が良いのが恐らく取り柄なので、遠くが良く分かるのだが、遠くはずーっと竹林が続いている。それも問題なのだが、然しこの竹林、霧が深く、遠くが余り見えない。多分、眼が良いのが取り柄の僕でも、こうも霧が深いと、ほぼ道が見えない。ただ、緑の物体が沢山見えるので多分竹だろう。だから、ずっと竹林が続いていると推察した。
 そして、この竹林、竹が斜めに成長している。これは余り問題では無いのだが、竹の成長が余りにも速い。こうして考えている間にも成長し続けている。全く、何て竹林だ。こんなに成長が速いと迷ってしまうでは無いか。ていうか事実、迷っている。ヤバい。こんな竹林から人里に出れるのなんて、めちゃくちゃな強運じゃないと不可能に近い。そして、僕は恐らくとても運が悪いので、もう不可能なんてもんじゃない、無理だ。え?何で運が悪いと思ったかって?、それはね、記憶喪失で変な竹林に流されるなんて、不運じゃないと無理に決まっているじゃないか、言っちゃ悪いが、こんな意味不明な事を起こすなんて、それはめちゃくちゃ不運じゃないと無理だ。
 さて、こんなサムシング的な何かに巻き込まれた僕だが、今、とても凄い事に気が付いた。記憶喪失あるあるの、自分の名前がわからないんだ。どうしよう。まあ適当にくまのプーさんの「クリストファー・ロビン」から名前を取って、今から僕は「クリストファー」と名乗ろう。さて、今はそんな事はどうでもいい、重要じゃあないんだ。もう一つ気づいた凄い事がある。僕の歩いた後の所が微妙に枯れている。これは、何か、こう、僕の中に眠る不思議パワー的なアトモスフィアな感じのアレが出ているのだろう。僕凄い。さて、僕の中に眠る邪悪なアトモスフィア的な不思議パワーが判明したところで、竹林から出る方法を考えよう。まあ簡単だろう、多分、僕から出る不思議パワー的な感じのアトモスフィアが出ているので、枯れたところを目印にして進めば良いと思う。いくら竹の伸びが速いからって、枯れれば一溜まりも無いだろう。多分。これで目印は出来たのだが、もう一つクリアしなければいけない関門が現れた。食糧だ。さて、恐らくこの竹林はめちゃくちゃ広い、ここから人里に出るには食糧が必要だ。兎か何かを狩れれば良いのだが、狩りをするのに必要な道具が無い。竹を追って武器を作れれば良いのだが、そんな技術は僕には無いし、時間も勿体無い。さて、簡単とは言ったが、愈々、どうすればいいのかわからなくなってきたぞ。簡単と言った自分を殴りたいぐらいだ。


「はあ…全く、どうしたモノか」


 全く、前途多難だ。というか、僕は何時の間にか人里が前提で話を進めているが、ここに人里はあるのか?無い可能性が無きにしも非ずなのでは無いだろうか。というか、腹が減った、凄い勢いで腹が減った。物事を考えすぎるのは良くないな、うん。もう凄い腹が減ったよ。


「誰か、食べ物を恵んでくれぇー…もう何でもしますんで奴隷にでも何でもなりますんで」

「へぇー?それは本当かい?」

「は?…え?」


 おい、これはどういう事だ。僕が不審者の様にブツブツと独り言を呟いていると、ウサ耳の生えた謎の美少女Xが現れたぞ。これはどういう事だ。マジでこれはどういう事だ。てか、胸平坦だな、身長ちっちゃいな。


「君、面白いね。凄く面白い」

「え゛?」


 うん?僕はひとり漫才なんてしてないですよ。


「君に触れた竹林が枯れているのは分かっているかな?どうやら、君は自分の能力に自覚が無いみたいだけど…うん、この因幡てゐが教えてあげよう」

「ほほう、貴方は僕の中に眠る不思議パワー的なアトモスフィアが何か分かるんですね?」

「うん。ていうか、こんな凄まじい負のオーラ。妖怪じゃなくても見る人が見ればすぐに分かっちゃうよ?」

「え?妖怪?何ですかそれ」


 行き成り妖怪とは唐突な。最近流行りのお遊びですか?お嬢さん。


「君、今とても失礼な事考えたでしょ…。まあいいや、さて、君の能力だけど。私が見るに触れたものを駄目にする能力かな?」

「何か悪役っぽい能力ですね」


 そういう設定なんですね。分かります


「えーと…てゐ?ちゃんだっけ、人里は何処に行けば分かるのかな?」

「うん?人里に行きたいの?駄目だよ」

「え、なんで」

「え?」

「え?」

「えー…こほん。君、さっきさ、『食べ物を恵んでくださいませ…何でもしますんで奴隷にでも何でもなりますんで、足も舐めるんで。助けてください、大妖怪様美少女様因幡てゐ様』って言ってたよね?」

「てゐちゃん。僕のしらない部分がたされている気がするんだけど」

「言ったよね?言ってたよね?」

「アッハイ」

「うん、それでよし」


 あー、もう…どうなるんだよ。俺はコスプレロリ美少女に何されるんだ?ナニされちゃうの?。ごめん、すごい興奮してきた。グヘへへへへへへ


「……君、私をもう一回変な目で見たらただじゃおかないからね」

「えー…」

「助けないよ?」

「ごめんなさい」


 チッ


「じゃあ、話を戻そうか。さて、ヘンタイ君を私は助けるわけだから、ヘンタイ君は私と契約しちゃいけないよね」

「え、何その謎理論。でっちあげちゃ駄目だよオイナバカタさん」

「誰がオイナバカタさんだ!…えーと、また話が逸れちゃった。さて、契約の内容だけど、君は人間の里に行きたいわけだ」

「そうだよ」

「でも行けないんだなー、これが」

「え、なんで」

「君は私と契約するわけだから、私の奴隷になるわけだ」

「またもや謎理論、STEIAP理論だな」

「意味わかないけどまあいいか…えー、じゃあ契約をしようか、手を出して?」


 契約ってなんだろー、どんなことすんだろー、とか小学生並な事を考えながら僕は自分の手を出した
触れたら駄目になっちゃうよー、てゐちゃん。グヘへへへへ


「ハぁッ!」


 てゐちゃんが寺生まれになっちゃった、寺生まれのロリになっちゃった。凄い、手から光が出た、ヤバい(小並感)。そして、僕が光に包まれた。進化しちゃう、メガ進化しちゃうよ。ヤバいよ


「ふー、それじゃあこれから宜しくね。奴隷君」

「え?終わり?マジで?契約しちゃった?マジで?」






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  • 最終更新:2014-07-30 16:27:42

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